ミトラのブログ 古墳と日常

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犬神家の一族 スケキヨの謎が解けた

原作では美しい顔となっているのに、「不気味に不気味に」しようとした結果、オモチャっぽくなった。

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https://i.pinimg.com/736x/77/70/8e/77708ed9a369fca2b4afe39b7583de8c--novels.jpgより引用

 

原作と映画はまったく違った

横溝正史原作の金田一耕介シリーズは何度となく映画化やドラマ化され、最近もリメイクされていました。

アニメの金田一少年は無断でパクッたらしく原作者の親族と対立しているが、マンガはヒットしている。

名探偵コナンも、金田一少年や横溝正史の原作から大きな影響を受けていて、推理物の原点とされている。


金田一耕介の実写映画の中でも「犬神家の一族」が最も有名で、水の中から足を突き出す「スケキヨ」の場面は見た事があるでしょう。

自分もスケキヨの白いゴムマスクや足を開いて突き出す場面は知っていたが、非常に不自然だと思っていました。

だって戦傷者とは言え、いかにもオモチャっぽいゴムマスクを被っているのは変で、頭巾とか目出し帽の方がずっと自然です。


湖から突き出す足に至っては、息絶えた人が何で逆さになって足を伸ばしているのか、酷い駄作だと思っていました。

最近マンガの金田一から原作を読んでみたくなり、横溝正史が書いた「犬神家の一族」をアマゾンで購入して読んでみました。

すると映画やドラマでは不自然だった場面が、原作ではキチンと説明されていて、単に監督や映画会社の手抜きだったのが判明しました。

 

 ものすごく不自然な「スケキヨの足」

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https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61JOEyroVEL.jpgより引用

 

スケキヨが足を伸ばしていた理由

まず最初は「ゴムマスク」なのだが、原作では母親の松子が戦地で負傷した息子のために、なるべく自然に見えるようなゴムマスクを製作します。

傷がなかった頃の顔に似せて作ったのだが、それが却って不気味さを引き立たせてしまうという設定です。(不気味の谷現象)

映画やドラマでは『不気味さ』をもっと強調しようとして真っ白い変なお面にした結果、安っぽいオモチャになってしまいました。


市川崑は名監督とされていますが、この件に関しては酷い手抜きをしたと思います。

次に湖面から突き出す足がピンと伸びているという物凄く不自然な場面ですが、原作では湖面が凍結して、スケキヨもカチカチに凍っていたので足がピンと伸びたのです。

舞台は年末の長野県の山間地の湖で、撮影が行われた「青木湖」はマイナス10度にもなり、真冬は湖面は凍結しています。

ところが撮影が行われたのはおそらく前年の秋で、多少寒いとは言え雪が降る場面や雪が映っていないのを見れば、10月ごろだったろうと思います。


すると湖は水面のままで、投げ込まれたスケキヨが足を伸ばしている、あの非常に不自然な場面になってしまったのです。

おそらく真冬の長野では撮影できないと思い、撮影のしやすさから秋ごろになったのでしょう。

こうして原作では自然な描写だったのが、映画では『ありえない場面』になったのです。

 

原作はこのように湖面は氷が張り、スケキヨの体も凍結していた。(写真は諏訪湖)

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http://www.y-asakawa.com/yatugatake/hakucho2-6.JPGより引用

 

 犬神家の一族の原作

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)