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敷金の全額返金が義務化 入居者が有利になる


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敷金返還を明記

加計と森友の「もりかけ騒動」で揺れた国会だったが、2017年5月28日に改正民法がひっそりと成立しました。

人々の生活に何の関係もない「もりかけ」に大騒ぎしたマスコミが、完全スルーを決め込んだのはさすがと思いました。

改正民法の中で今回取り上げるのは「敷金は全額返済しなくてはならない」と義務化されたことです。


と言っても細々とした例外があって差し引かれるのだが、敷金は借りた人に返すべきだというのが法律で明記されました。

アパートやマンションに入居するときに様々な名目でお金を取られ、敷金・礼金・保証金などがあります。

このうち礼金は手数料として差し出すお金で、退去時に返ってくる事はありません。


うちのマンションでは保証金を20万円以上取られましたが、これも返って来ないと入居時に説明を受けました。

つまり色々払ったお金の中で退去時に返ってくる可能性があるのは敷金だけな訳です。

その敷金も実際には退去時の査定によって、「部屋が傷んでいる」などの因縁をつけられて没収されるのが常でした。


改正民法では敷金は賃料を滞納したり損害を与えたときのための「担保」と規定し、そうした事態が起きていなければ全額返還が義務化されます。

ここで問題になるのが「原状回復義務」というもので、借りた人は借りた時と同じ状態にして、大家に部屋を返す義務があります。

ここで大家(管理会社)が「部屋が傷んでいる」と難癖をつけて、敷金没収どころか追加請求していました。

 

原状回復義務

ところが裁判の判例で「経年劣化」という考えが浸透し、たとえば10年住んだら10年分の自然劣化には原状回復義務がないとされています。

ここで言う自然劣化とは「誰が住んでも同じように痛んだ筈」と考えられる程度の汚れや痛みのことです。

むしゃくしゃして壁を蹴っ飛ばしたら穴が開いたなどは、明らかに「異常」なので自然ではないですね。


浴槽などの水回りは掃除の頻度によって状態が違うので、トイレや風呂に落ちない汚れがこびりついていたら、経年劣化とは言えないです。

通常の使用でも傷つくものは回復の義務がなく、例えばフローリングの床なんてのはイスを引っ張っただけで跡がつくので、程度によるが支払う必要はないです。

エアコンの修理代なんてのは定番ですが、安いエアコンの寿命は5年から10年なので、壊れたとしても経年劣化です。


改正民法は、「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化」は原状回復義務がないと明文化しました。

通常の使用とは誰が入居者であってもその程度は生じる範囲のことで、「入居者がアンタじゃなければこうなってない」場合は『異常』になります。

注意すべき点は入居契約の「特約」で、通常の使用であっても退去時に劣化分を支払うと書かれている場合です。


例えば退去時に完全に元に戻す代わりに家賃が安いなど、双方承知のうえで特約を交わした場合、些細な傷も支払い対象になります。

だが特段の理由も無く特約をつけて退去時に高額請求した場合、裁判所の判例では契約は無効となっています。

今までより入居者は有利になったが、どんな時でも100%認められるわけではないという事です。


なお改正民法は2020年施行なので、それまで判例などでは考慮されるにしても、現行法が適用されます。