ミトランブログ mitra brog

マネー、ニュース、旅

一見合理的に見える判断は、合理的ではない場合


スポンサー リンク


間違った意見を大勢から聞かされると、合理的に思えてくる

f:id:nonoty32a:20170607161647j:plain

合理的に見えて合理的でない

10年前のリーマンショックで三菱銀行がモルガン・スタンレーを買収(出資)して以来、日本企業の買収ブームが続いている。

2016年に日本企業の海外M&Aは過去最高の11兆円だったそうで、今後も拡大するでしょう。

しかし中には東芝のように信じられない醜態もあり、この会社の経営陣は契約書を一切チェックしなかったようです。


買収した米原発会社が巨額損失を出して初めて、相手側の損失を丸ごと東芝が負担する事に気づいた。

その損失を支払うためにメモリー事業を買収しようとしたら、今度は提携先のWD(ウェスタン・デジタル)の同意無しには売却できないのに気づいた。

「アタマ大丈夫か?」と言いたくなるほどだが、これらの事業が発表されたときには周囲から称賛されていました。


三菱、日立、ソニー、トヨタ、日産などが次々に海外プロジェクトを成功させ(失敗もあったが)、海外進出した経営者が称賛されました。

日本の経営者のほとんどが「サラリーマン社長」か世襲の息子なのは周知の通りで、特に平社員からたたき上げの社長が多い。

平社員で入社して必死に頑張って社長になるのはサラリーマンの夢で、昭和ロマンと言える。


こうしたサラリーマン社長は厳しい競争を勝ち抜いてきたので、周囲の評判をとても気にします。

周りの意見を良く聞いて、最も支持されそうな経営をするのですが、バブル崩壊以降うまく行っていない。

東芝の社長も周囲が最も称賛する海外買収をやったが、合理的なように見えて最も合理的でなかった。

 

情報を浴びると嘘でも信じる

ある調査で「女性は周囲の3人から同じ事を聞くと、世の中皆がそう言っていると思い込む」というものが在りました。

男性も職場や友人や家族から同じ事を聞くと、嘘の情報でも本当だと信じるでしょう。

東日本大震災で自分が実際に経験した事ですが、あるネット掲示板で主婦の人が非常に慌てた様子で書き込んでいました。


ネット情報や周りの人が「放射能で東京は数日で全滅する」と言っているので避難したいが、夫は仕事があるからと相手にしない。

「夫と離婚して子供を連れて九州に避難しようと思う」と大真面目に書き込んで、明日にでも実行しそうな勢いでした。

今となっては相手にしない夫の方が正しかったと分かりますが、地震後暫くは本当にこういう情報が飛び交っていました。


周囲の人は良い情報をもたらすが、悪い情報の場合もあり、まるっきりの嘘の場合もある。

さて投資という世界では、基本的に嘘の情報しか一般の人には伝わらないシステムになっています。

ネットでも書店でもどんな情報源からも「投資の利点」だけを強調し、投資で損をした情報は排除されています。


それは証券会社や投資関係の企業が大金を払ってそのような情報を流しているからで、反対に「投資で負けた」という情報を広めたい人は居ないからです。

真実を報道するために金を払って広告を乗せる証券会社など、間違っても存在していません。

それを見たり聞いたりする人々は、「周囲の皆が投資は儲かると言っている」状態に置かれ、同じ情報をシャワーのように浴びます。


真実を知ろうと検索したり図書館で調べれば調べるほど、業界が用意した「投資は儲かる」という情報シャワーを浴びます。

この状態では東芝の社長と同じで「自分も皆と同じく海外買収しなければ損だ」と思い、一刻もはやく皆に追いつきたいという焦りで追い込まれます。

こうして最も合理的だと思えた判断は、ずっと後になって痛恨のミスだったと気づく事になります。