ミトランブログ mitra brog

マネー、ニュース、旅

間違った投資から手を引けない心理 東芝幹部も陥った心理


スポンサー リンク


とても認められない失敗をしたとき「そうだ失敗しなかった事にしよう」と脳は考えます

f:id:nonoty32a:20170313183139j:plain

 

失敗から撤退できない心理

東芝は米原発会社を買収したが1兆円もの負債を隠していたのがわかり、他にも数千億円から1兆円の損失を受ける可能性があると報道されています。

「なんてばかなんだ、そうなる前に損失を切れば良いのに」と多くの人が思ったはずです。

ところがそう言っている人も自分の事になると、損をしているのが分かっているのに切れない状況になる場合があります。


心理学では損をしているのを認識していて、継続すればさらに損失が拡大するのが分かっていながら、辞められない状態の説明をしている。

「サンクコストの錯覚」というオシャレな名前が付けられていて、サンクコストとは埋没費用のことです。

埋没費用とは自分が行った行為に費やした労力や時間の事で、事業や会社経営などでも適用される概念です。


ウィキでは料金1800円を払って入場した映画が、つまらないと気づいたときにどうするべきかが例として挙げられています。

つまらないので退席した場合には1800円と今までに費やした時間と労力を失い、見続けた場合は1800円とこれからの2時間を失う。

どうせつまらいのだからすぐ退席すれば今後の2時間は失わずに済むが、「もったいないから最後まで見よう」となります。

 

自動車のような高額商品を買った場合、ほとんどの人はその自動車やメーカーのファンになり、批判を耳にすると反論する。
購入するときには客観的に比較して選んだ筈だが、プリウスを買うとトヨタを、フィットを買うとホンダを褒めるようになる。

これはもし自分が買ったクルマが失敗だった場合、購入に費やした200万円ほどと、その為に働いた膨大な時間、ひいては自分そのものが否定されてしまうからです。

 

自分が買ったクルマが失敗作だったと認めてしまうと、精神的に酷い苦痛を受けてしまうので、とても認めることはできません。

 

間違った認識で自分を騙してしまう

ドラマのセリフで「失敗を認めなければ勝っている」というのがありましたが、ある意味真実であり、認めなければ自尊心は満たされます。

たとえ故障が多かったり、デザインの評価が低くても「そこが味なんだよ、素人には分からない」と言えば自尊心は保たれます。

自動車は結局実用性さえあれば後は自分の好き好きですが、これが投資の勝ち負けだと自尊心を保つのは困難です。


このブログでも時々為替や株の予想を書いていますが、「下がる」と書いたとたんに上がったり、上がると断言したら下がる事が多いです。

自分で購入した株が予想外に下がってしまったら、頭は混乱しプライドはズタズタに傷付いてしまいます。

そこで人間の脳は、なるべく自分が傷つかないように、心の安定を保つ方向で自分自身を騙そうとします。


その株を買ってしまった自分を納得させるために、「長期投資」をするんだと言い聞かせたり、その株が上がる要素を探したりします。

今は含み損だが「長期投資」だから問題ないと考えることで自尊心を保ち、脳が発狂しないように安定させるのです。

含み損のポジションを切ってしまったら、今までの労力が無駄になるばかりか、「自分はアホだ」と認める事になります。


こうした事は買い物に出たが半日もウロウロして結局何も買わなかった場合などでも起こり、どうでも良い物を買う事で自尊心を満たしたりします。

資格を取るために数ヶ月勉強したが、結局その資格は役に立たないと分かったら傷つくので、なんとかしがみ付こうとします。

今の職業が自分に向いていなくても転職できなかったり、損失を出し続けているマイホームに住み続けたりします。


多くの場合、自己所有の家に住むより賃貸住宅の方が安いのだが、多額の費用を払ってでも現在の家を維持しようとします。

家を捨てることは家族や人生を否定する事なので、自動車どころではない敗北感を味わう事になるからです。

恋愛や対人関係でも当てはまり、今までに費やした時間や労力を失いたくない為に、嫌いな人との関係を保とうとします。


東芝の場合も冷静に考えれば儲かっている事業に投資して、損失を出している部門は切れば良かったはずだが、やはり今まで費やした物を失いたくなかったのでしょう。