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3.11地震からの相場を振り返る 投資家はどう行動したか


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地震直後は円安に動き、多くの投資家を迷わせた

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3.11地震から1か月の米ドル円の値動き - 美木茉利FXで100億円 http://blog-imgs-48.fc2.com/8/8/e/88e/20110311_0416_USDJPY_H8.gifより引用

 

2011年のパニック相場を振り返る

2011年の東日本大震災(当時は東北地震と呼んでいた)から6年が経ち、追悼行事や特番放送が行われています。

ここで当時の相場や投資家の行動を振り返るのも、あながち無意味ではないかも知れません。

2011年はドル円がGHQ占領以来の最安値である1ドル76円をつけ、日経平均は8,135円の安値をつけました。


日経平均のバブル崩壊以降最安値は2008年10月の6,994円だったので、既に最悪期は脱していたのが分かります。

日本経済そのものはどん底というほどでは無かったのに、ドル円が急激な円高になった事で、日本経済は再び致命傷を負いました。

日本で巨大地震が起きたのに、どうして日本の通貨が買われて超円高になったのかは、現在も解明されていない部分がある。


2011年3月11日に投資家が置かれた状況を理解するには、もう少し時間の流れを遡らなくてはなりません。

2004年頃から2006年まで世界は好景気に酔いしれていて、日本も戦後最長の好景気である「小泉景気」を謳歌しました。

そこに襲い掛かってきたのが2007年7月頃からのサブプライムショックで、あらゆる物の価値が音を立てて崩壊していきました。


サブプライムローンというアメリカの貧困者向け住宅ローンが破綻し、それがアメリカの金融経済も破壊し、リーマンブラザースが倒産しました。

2007年6月に1ドル124円だったのが8月に114円、11月に108円、翌2008年3月に100円を割り込み1ドル96円になりました。

2006年以前には「1ドルは永遠に100円を割らない」が常識と考えられていて、99%の専門家は「絶対に100円は割らない」と断言していました。

 

地震直後は円安に動いた

現実は非情で2008年は一旦110円を超えて盛り返したものの、12月には90円を割り込み1ドル87円をつけました。

2009年は90円前後の安定した動きで、2010年は徐々に円高が進み12月には1ドル83円になっていました。

翌2011年2月までは81円から83円で推移し、円高ながらも安定していて、多くの人はこの相場に慣れてきていました。


1ドル120円が80円になり、株価が下落しデフレになっても、人々はそれが当たり前になると慣れてしまうものです。

世間では民主政権の管総理が70%を超える支持率を得ていて、子ども手当の実施やデフレの進行が話題になっていました。

3月11日午後2時46分に宮城県沖で地震が発生したが、当初の被害はほとんど無かったので、それほど意識されなかった。


問題が深刻化したのは津波が堤防を越えて進入し内陸部まで進んでからで、各地の原発も次々と津波に襲われました。

福島第一原子力発電所は電源を喪失し、予備電源もなくなって翌3月12日に充満した水素が爆発し、消火活動や冷却ができなくなって放射性物質を放出した。

この間為替相場がどう動いたかというと、上なのか下なのかを誰も判断できず、混乱状態に陥っていました。


3月11日は82.92円で始まって終値が81.88円、最高値が83.29円と記録されていて、自分の記憶では地震後に円安になりました。

日本で地震だからマイナス要因なので日本売り、自然な発想で多くの投資家は円を売ってドルを買う方向で投資したと思います。

急展開したのは5日も経った3月16日で、地震後1ドル81円程度で推移していたのが突然80円を割り込んで、翌3月17日には1ドル77.16円をつけました(ヤフー)

 

なぜ日本売りで円高になるのか

その後また81円に戻るが、7月に再び80円を割り10月に75.55円をつけました。(ヤフーファイナンス)

2011年は76円台で年末を向かえ、再び80円以上に定着したのは2012年の自民党政権復帰まで待たねばなりませんでした。

日本で地震が起きたのに円が買われた理由は、一般的にはリスク回避とか説明されていますが、理解不能です。


じゃあ広島に原爆が落ちたら「リスク回避」のために外人は広島に引っ越すのかよ?という話です。

考えられる理由は日本が超低金利でデフレ、それにくらべて外国は高金利で成長率が高いので「円キャリー」が発生します。

つまり日本でゼロ金利で借金して、銀行預金が3%の国で預金したら、寝ていても3%儲かるし、投資するともっと儲かります。


それが世界経済に不利な事象(原発事故など)が起きると一斉に解約されて、ドルから円に換金されて円高になります。

だってもし円で借りてドルで運用しているときに10%円高になったら、その10%は自分の損失になってしまいます。

世界中の投資家が大急ぎで投資を解約して、円建ての借金を返済するためにドルから円にしたら、一気に円高になるわけです。


こういう動きを見越したゴールドマンサックスなどの大口投資機関は、大量の円買いを行って仕掛け、過剰な円高を加速させる。

それに便乗しようとする世界の投資家も、やっぱり円を買って円高で一儲けしようと企みます。

こうした相乗効果によって、日本売りなのに円高になるという事は、1995年のオウム事件や阪神大震災でも起きていました。