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リーマンショック前に言われていた事 「日本は滅びるから円安になる」の間違い


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ロンドンのビッグマックセットが960円だった頃、日本では480円ワンコインメニューが流行っていた。

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http://marieclaire.media.ipcdigital.co.uk/11116/00008b2e8/83ea/Big-Mac-meal-T.jpgより引用

 

日本は衰退し円は紙くずになる?

2008年にリーマンショックが起き、円高時代に突入する前の2007年まで、日本では特徴的な現象が起きていました。

2011年に東日本大震災が発生し、超円高になる前も、同じ「ある現象」が起きていました。

その現象とは日本の物価や賃金が欧米先進国より大幅に安くなることで、日本衰退論が叫ばれていました。


例えば2005年から2007年ごろ、ロンドンでは地下鉄の初乗り600円、大卒初任給40万円、サンドイッチ500円でコーラ200円でした。

ビッグマック390円でセットだと960円したそうで、この頃東京では260円でした。

スイスのチューリヒはもっと高くて、ビッグマック4,5ドル(540円)、北欧の非ユーロ国も凄く物価が高かった。


スウェーデンデンマークでは500m入りの水が約1000円、当時日本では1000円で牛丼が3杯食えた。

ここまでいくと外国の物価が高すぎるのではなく、日本の物価が安すぎたのだが、日本の賃金も安かった。

イギリスや欧州各国に比べて大卒初任給が半額、労働者の賃金も欧米の半分で、そうした比較がネットやテレビで流行りました。


比較した結論は日本は衰退していて欧米は発展しているという事になり、日本衰退論が支持されました。

いわく、日本はこれから衰退するのだから日本円は暴落し、1ドル500円や1000円になるだろうと言っていました。

ところが現実世界では逆に、日本円が高騰して円高になり、ついに1ドル76円まで達しました。

 

日本衰退論の欠陥

日本は衰退しているのに、いったいどうして円が高騰したのか、当時誰も説明していなかったと思います。

同じパターンは東日本大震災でも繰り返され、「日本は衰退する」だから超円安になると考えてドル買いした人が多かった。

実業家では楽天の三木谷社長が「もう日本は滅びるから外国に拠点を移す」とか盛んに言っていました。


結果はやっぱり円高が進んで円の価値が高くなり、円安を見込んでドルを買った人達は大損したり、破産しました。

日本の物価や賃金が欧米に対して半額になるという事は、為替の立場から見ると、円が本来の半額になっているという事です。

もしロンドンの物価と賃金が日本の2倍で、ポンド円が1ポンド240円であったら、本来1ポンドは120円であるべきなのです。


実際リーマン危機前は1ポンド240円だったのが、円高によって1ポンド120円になり、日英の物価水準は同じになりました。

またアメリカの物価はリーマンショック前は日本の1.5倍くらいだった気がしますが、その後の円高で調整されました。

1ドル120円だったのが1ドル76円にまでなり、これはさすがに行き過ぎだったが、1ドル80円から90円は妥当でした。


東日本大震災の時も、「日本は滅びるから円安になる」ではなく日米の物価が同じになるにはどっちに動くかを考えたら、正解が分かった筈です。

そして2013年から2015年にかけて円安が進み、再びアメリカの物価と給与は日本の1.5倍くらいになっています。

日本の一人当たりGDPは後進国にどんどん抜かれて、一人3万8000ドルで世界20位くらいになったが、もし1ドル80円なら5万7000ドルで主要国1位した。

 

為替の適性レートは算数で出せる

アメリカの一人当たりGDPは5万3000ドル(2013年)なので、1ドル85円くらいで吊り合います。

GDPで比較すると2016年夏の現時点では、ドル円は1ドル85円が適性なのです。

先進国では技術や生産性の差はあまり無いので、日本人(の経済価値)=アメリカ=EUだと考える事ができます。


もしこれが日本0.5、アメリカ1、EU2みたいに大きな差があったら、その歪みは為替変動で調整されます。

ただ問題なのは「いつ調整されるのか」は分からない事で、歪みがあるから今年中に円高になるなどとは言えません。

1995年のあとに超円高になったのは2011年だったので16年間も間が空いていたように、いつ来るかは分からないものです。