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投資に勝つという不可能性 行動心理学からの忠告


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人は勝とうとすればするほど、典型的な「ばかみたいな行動」をしてしまう

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http://stat.ameba.jp/user_images/20151212/10/naniwa335/c4/7b/j/o0800045013509373994.jpgより引用

 

ナンピン破産の心理学

10年くらい前、投資いわゆる相場の世界で、行動心理学が注目されました。

人はなぜ高値で買って安値で売るような、ばかな真似をするのか、それまで説明できませんでした。

行動心理学では利益を快楽、損失を恐怖という心理的作用に置き換えて説明しています。


例えば相場に投資して100万円儲かったとして、次に相場で1万円の含み損を抱えたとします。

100万円儲けた後のたった1万円の含み損なので、合理的に考えると、損切りして忘れてしまえば良いです。

だが人間の心理は、快楽より恐怖や苦痛の方が遥かに巨大なので、100万円分の快楽より1万円を失う恐怖が優るのです。


この結果99%の投資家は、1万円分の含み損に耐えたり、追加投資いわゆるナンピンをします。

ナンピンとは投資用語で、下落したら低い価格で買い増して、平均購入額を下げる手法です。

例えば日経平均2万円で買ったが1万円まで下落し、ナンピンしたら平均1万5千円になります。


その後日経平均が1万5千円に回復したら利益が出るので、最初の2万円より有利になります。

だがこの手法は多くの投資家を破産に追いやった最低の投資法でもあり、あらゆる解説書で「下の下だ」と否定されています。

ところが先ほどの例では、1万円を失うくらいならナンピンしてやれ、と多くの人がこの最低投資をやってしまうのです。

 

 

痛みは快楽より大きい

1万円を失う痛みの方が、過去に100万円稼いだ快楽より大きいので、全財産を賭けても、この1万円を守り抜こうとします。

ナンピンを何度かすると、元の金額の数十倍の資金を賭ける事になり、最後には僅かに不利な方に動いただけで破産します。

これが多くの投資家が「ばかな事」をしてしまうメカニズムで、人間は誰でもこういう思考法をしています。


さて行動心理学によるとお金を失う苦痛より、お金を得る快楽は遥かに小さいので、いくら儲けても何も感じなくなります。

最初は数千円プラスになると嬉しかったのが、勝ち続けると100万円勝っても、道端でティッシュを貰った程度にしか感じなくなります。

勝つ事はますますどうでも良くなり、負けることへの恐怖や苦痛は増幅されていきます。


行動心理学を用いて投資家を分析すると、「結局誰も勝つ事はできない」という結論に至ります。

ここでいう勝つとは偶然ではなく、実力だけで必然的に勝つという意味での「勝つ」という事です。

野球のイチロー選手は生涯年収200億円くらいだそうなので、明らかに野球で勝っています。


だがイチローでさえ打率は3割台なので、3回に2回は実は「負けている」のです。

イチローが大金を貰えるのはチームやスポンサーがお金をくれるからで、投資家はこれとは全く違います。

誰も契約金や年俸を払ってくれないので、ヒットを打てばお金を貰えるが、ヒットを打てなければ、お金を取られるのです。

 


投資は勝者なき戦い

始末が悪い事に投資には「リーグ」や「プロアマ」制度が無く、世界一のプロが初心者と対戦しています。

まあバフェットとかソロスとかは投資で勝てるとして、多くの普通の投資家は勝てっこありません。

頑張って投資の勉強をしたとしても、他の皆も自分と同じくらい頑張っているし、自分の実力は平均程度でしょう。


行動心理学ではこのような競争を「鏡の中の自分と戦っているようなもので、決して勝てない」としています。

あるいは勝者の居ない競争という事で「敗者のゲーム」とも呼んでいます。

このような世界で生き残って利益を得るには、もう他人と戦って倒すという考えは捨てなければなりません。


敵に勝とうとすればするほど、心理学の必然に陥って、最も不利なところで買って、もっとも損をするところで売ってしまうでしょう。

本当の勝者になるには、自然に流れを受け入れて、安く買って、それより高く売ることです。

この当たり前の事を実行できれば、誰とも戦わなくても、自然に利益を出す事ができるでしょう。